最近、技能実習生界隈で起きている大きな変化の一つが、ベトナムの少数民族からの応募が増加しているという点です。
この背景と、受け入れ企業様が知っておくべき課題について解説します。
ーなぜ少数民族の実習生が増えているのか?ー
以外に思われるかもしれませんが、ベトナムは54の少数民族が混在する「多民族国家」という側面があります。
ただ、ベトナムの人口の約85%~90%をキン族が占めており、都市部で暮らすベトナム人はほとんどキン族です。
しかし、近年、円安などの影響で日本への労働者派遣のための募集が難しくなっており、送り出し機関は人材を確保するために、これまでリクルート対象としていなかった地域や民族にも募集を広げざるを得なくなっています。
その結果、特にベトナム北部では、日本へ行く実習生のうち2割近くがキン族以外の少数民族(モン族など)であるという報告もあります。
また南部でも、カンボジアにルーツを持つクメール族などの応募者が散見されています。
ー現場で直面しうる3つの課題ー
少数民族の実習生を受け入れる際、企業側が認識しておくべき主な課題は以下の3点です。
1. 日本語・ベトナム語のコミュニケーションの壁
少数民族の人々は、普段の生活では独自の言語をメインで使用しており、ベトナム語は学校などで学んだ第二言語のような位置づけになっている場合があります。
そのため、キン族出身者に比べてベトナム語の能力が劣ることがあり、語彙力や発音、文法の面で、ベトナム人同士でも言葉がうまく通じないという事態が発生しがちです。
これは、日本語が不十分な実習生を、先輩のベトナム語で指導するという、本来期待される同国人による指導のメリットが失われることにつながります。
2. グループ内での「いじめ」のリスク
キン族と少数民族の間では、文化や生活習慣がなる点も数多くあります。
キン族同士が集団で固まる傾向があるため、少数民族の実習生はグループに溶け込めず、集団内でいじめの対象になってしまうリスクが懸念されます。
3. 生活習慣の違いへの対応
少数民族の実習生は、従来のキン族中心の指導では対応できない異なる生活習慣を持っている場合があります。
受け入れ企業や送り出し機関は、日本での生活習慣について、民族的な違いも考慮した新たな対策と教育を講じる必要があります。
少数民族はダメだ…などということは全くありませんが、もし採用予定の方が少数民族出身である場合は、従前のベトナム人実習生と同じ対応では不都合が生じてしまう可能性があります。
ご留意いただければと思います。


