ベトナム人技能実習生の失踪は、雇用企業にとって深刻なリスクであり、経営者にとって頭の痛い問題です。
彼らが姿を消す背景には、構造的な「金銭問題」と「職場環境」のミスマッチが深く関わっています。

### 1. 失踪の主な原因:借金と待遇の不満

最大の要因は経済的な行き詰まりです。
実習生の多くは「海外出稼ぎ」を目的に来日しますが、悪質な送り出し機関を利用した場合、渡航前に100万円近い借金を背負っていることがあります。
もし日本の手取り給与が11万円程度で残業も少ない場合、借金返済と母国への仕送りが困難になり、ブローカーの甘い言葉に乗って失踪してしまうのです。

また、見落とされがちなのが、来日後の新たな借金です。
ベトナム人は総じて博打好きな傾向がありますが、同郷のコミュニティで博打(ギャンブル)に手を出し、トランプ賭博などで法外な金利の借金を作ってしまうケースがあります。
この返済のために、犯罪に手を染めたり、逃亡せざるを得なくなったりする実習生も実は少なくありません,。

さらに、企業側が彼らを単なる「安い労働力」として扱い、人間として尊重しない態度や、劣悪な労働環境がある場合、失踪のリスクは跳ね上がります,。

### 2. 企業ができる防止策

**待遇の適正化:**
実習生が納得して働ける手取り額の目安は13万〜14万円とされています。
残業が少ない場合は、皆勤手当や家賃補助などで調整し、この水準を確保することが推奨されます,。

**適切な機関の選定とルールの徹底:**
高額な手数料を取る悪質な送り出し機関を避け、彼らの初期負債を減らすことが重要です。
また、来日後のトラブルを防ぐため、博打禁止などの細かいルールを入国前に徹底して周知し、違反時のペナルティを理解させておくことも有効です。

**人間関係の構築:**
「大切にされている」という実感は定着に直結します。
彼らをロボットではなく一人の人間として扱い、信頼関係を築く姿勢が、失踪を防ぐ最後の砦となります。