近年、ベトナム人実習生の質が低下していると、盛んに言われています。
その原因としてまず挙げられることは、送り出し機関と受入企業との情報格差、具体的に言うと、ベトナムの送り出し機関は実習生の本当の質を知っているのに、受け入れる企業は実際に採用するまでその質を知ることができない、という点です。
特に2012年以降、ビジネス重視の送り出し機関が乱立した結果、日本語教育やマナー教育が十分でない人材が日本に多く送り込まれるようになったことも、残念ながら事実でしょう。
また、円安やベトナムの経済成長により、日本で働きたいと考える優秀な人材の募集が難しくなっています。
この結果、送り出し機関は人材を集めるために、以前なら許されなかったタトゥーや年齢制限の緩和など、募集条件を大幅に緩める傾向にあります。
こうした背景から、企業側は「質の悪い送り出し機関」を選んでしまうと、結果的に質の低い人材を受け入れてしまうのは「必然」の状況になっているのです。

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質の高い人材を確保するための3つの対策

優秀なベトナム人実習生に長く活躍してもらうためには、受け入れ企業側が戦略的に動くことが不可欠です。
1. 「優良な送り出し機関」を選ぶ
最も重要なのは、悪質でない、真面目にビジネスを行う優良な送り出し機関を選び、取引することです。
良い機関は、日本語や生活指導を徹底しており、たとえ問題のある候補者がいた場合も、企業に報告して採用を見送るなどの対応を取ります。

2. 「出稼ぎ」に見合った待遇を整える(給与の明確化)
実習生は「海外出稼ぎ」として日本に来ており、母国での給料以上の仕送りを期待しています。
実習生本人の満足度を高め、定着させるためには、残業を含めた手取り金額が大きな意味を持ちます。
特に彼・彼女たちは稼ぎたい意欲が強いため、9割以上が残業をしたいと考えています。
残業が難しい場合は、皆勤手当や家賃調整などで手取り額を近づける工夫が必要です。
実習生を「安い労働力」のように扱うと、その思いは必ず伝わり、不満や失踪のリスクが高まります。

3. 「特定技能」への移行を前提とした計画を立てる(定着戦略)
外国人材の活用で最も有効なのは、技能実習制度と特定技能制度を併用することです。
まず、最初の3年間は転職ができない技能実習制度を利用し、この間に実習生と企業の間で信頼関係を築きます。
その後、無試験で特定技能に移行させることで、最大8年間(3年+5年)の長期雇用が可能になります。
特定技能は即戦力として期待されますが、反面転職リスクがあるため、自社で3年間育成してから移行させるのが、賢明な活用方法です。

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質の高い人材を求めるのであれば、日本側も選ばれる企業となる意識を持ち、教育や給与、職場環境を整える努力が不可欠です。
ベトナム人実習生たちは、日本の製品や技術に対して良いイメージを持っており、高い日本語レベルを取得して帰国後のキャリアに活かしたいと考えている人が大半です。
彼らを大切な仲間として迎え入れ、共に成長していく体制を整えましょう。