学生の頃、私は日本の社会が求める「成功」のレールに疑問を感じていました。
大企業で出世して高給を得たり、大きなビジネスを成功させて豪邸に住み、きらびやかな生活を送ったりすること。
多くの人が目指す「成功」の形が、どうにもピンとこなかったのです。
自分のスキルを高めることは大好きで、そこには大きな喜びを感じます。
しかし、競争社会の中で勝ち続けて上を目指すことには、まったく興味がありませんでした。
そもそも、私には競争社会で勝ち残るための精神的な適性がないと感じていましたし、それよりも自分に関わる人たちを幸せにすることにこそ価値があると、強く思っていたからです。
「積極的ドロップアウト」という選択
大学4年になり、周りの友人が必死に就職活動をする中、私はある決断をします。
それが、日本社会からの「積極的なドロップアウト」でした。
(その後の経緯は、私が主催しているベトナム語講座の「プロフィール」で紹介しています)
これは決して、社会を否定するようなネガティブな選択ではありません。
むしろ、自分自身の価値観に正直に生きるための、ポジティブで能動的な選択だったのです。
競争や出世といった型にはまった目標ではなく、「人を幸せにする」という自分自身の指針に従って生きる場所を探し求めることを決意しました。
そして今、私は日本とベトナムを行き来しながら暮らしています。
ベトナムと静岡という二つの地で、まさに求めていた「幸せ」を見つけることができました。
ベトナムと静岡で見つけた、私らしい「幸せ」
もちろん、経営者としてのプレッシャーはあります。
しかし、「普通のサラリーマン」が抱くようなプレッシャーや競争とは無縁の毎日を送っています。
自分のペースで怠ることなく自己研鑽を続けながら、出会う人々との繋がりを大切にし、彼らの笑顔のために何ができるかを考えることができる。
競争とは違う、穏やかで充実した日々が、私には何よりも尊いものです。
「日本社会からのドロップアウト」と聞くと、ネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、私にとってそれは、決して終わりではありませんでした。
むしろ、自分らしい幸せを追求するための、新たな始まりだったのです。
若い人たちへのメッセージ
もし今、日本の社会のあり方に疑問を感じていたり、自分らしい生き方を探している若い方がいるのなら、私の経験が何らかのヒントになれば嬉しいです。
全くSNS映えしない生活ですが、日本を出て静かで穏やかな生活をおくる…というのも、人生の一つの選択肢として「あり」なのです。
私はこれからも、ベトナムと静岡で自分らしく、そして周りの人々を幸せにできるような生き方を追求していきます。