先日、ベトナムのタンソンニャット空港で、私はあるベトナム人家族の姿を目にしました。
ゴールデンウィークを終え、日本へ戻ろうとする父親に、幼い子どもがしがみついて泣いています。
「行かないで」と訴える小さな手。傍らで静かに涙を流す母親。
その光景は、言葉にならないほど切なく、同時に胸を締め付けられるものでした。
スーツケース一つに未来を詰め込み、異国の地で働くことを選んだ人々。
彼らが日本で働くことは、単なる就労ではありません。
愛する家族と離れる寂しさ、異文化での苦労、言葉の壁。
それら全てを乗り越えてでも、「家族のため」「より良い未来のため」と前を向く、想像を絶する「覚悟」の表れです。
様々な問題を抱えながらも、彼らは今、日本の労働力を支える上で、かけがえのない存在となっています。
しかし、彼らが抱える家族との離別や日本での生活の困難は、その「覚悟」の裏側にある大きな負担です。
この負担は、単に個人の問題にとどまらず、彼・彼女らが日本で安心して働き続け、その能力を最大限に発揮するための壁となり得ます。
空港でのあの家族の姿が、私の心に深く刻み込まれました。
そして、彼らの「覚悟」に応えるために、私たちに何ができるのかを真剣に問い直すきっかけとなりました。
私たちはこの度、在日ベトナム人、特にそのご家族をサポートするための新たな事業を開始いたしました。
日本で働く彼らが、家族の心配を少しでも減らし、安心して仕事に打ち込める環境を作ることを目指しています。
言葉や学業のサポート、生活に関する情報提供、そして何よりも、愛する家族と共に暮らすことができる仕組みづくり…。
ベトナム人を雇用する、企業経営者の皆様へ。
彼らが安心して働ける環境を整えることは、単なるCSRではありません。
従業員の定着率向上、エンゲージメント強化、そして組織全体の生産性向上に直結する、持続可能な経営にとって不可欠な投資です。
彼らの「覚悟」を理解し、支えることは、企業の未来への投資に他なりません。
タンソンニャット空港で感じたあの切なさと、そこにあった深い家族愛、そして日本で働く人々の「覚悟」。
私たちは、その「覚悟」を支え、共に未来を築いていくパートナーでありたいと考えています。
もちろん、これがボランティアではなく、私たちのビジネスであることも否定しません、
しかし、彼らが愛する家族とともに日本社会に溶け込み、地域で豊かに暮らし、企業様が安心して彼らと共に成長できる社会の実現へ向けて、私たちの新たな挑戦にご理解とご協力をお願い申し上げます。