以前のブログ記事で、「ベトナムは変化を厭わない国民性が強い」と書きましたが、その姿勢は日常生活のさまざまな場面で感じられます。
とりわけ私が強く実感しているのが、ここ数年で急激に進んだキャッシュレス化の波です。
かつてベトナムでは、買い物や食事をするにも、まとまった額の現金が欠かせませんでした。
クレジットカードは、外国人観光客向けのレストランやホテルなど、ごく限られた場所でしか使えず、地元民の生活にはほとんど浸透していませんでした。
それが今では、税金、学費、公共料金、スーパーマーケット、ガソリンスタンドなど、あらゆる場面でキャッシュレス決済が可能になっています。
たとえば、私の子どもたちがベトナム現地の高校に通っていた際も、毎月の学費はすべてオンライン決済で行われていました。
また、地元向けのローカル食堂でも、テーブルや壁に掲示されたQRコードをスマホで読み取り、銀行口座から直接送金するスタイルが当たり前になっています。
かつては「外国人相手にぼったくる」と悪評のあったバイクタクシーも、今や「Grab」などのキャッシュレス配車アプリの登場により、料金も明朗で安全なサービスへと様変わりしました。
最近の調査では、ベトナム全体のおよそ2億口座の銀行口座のうち、取引の約9割がオンラインで行われているという結果も出ています。
このデータからも、ベトナム人の変化への適応力と、新しい仕組みを柔軟に受け入れる姿勢が際立っていると言えるでしょう。
デジタル化という時代の波に、迷いなく乗っていくベトナム。
そこには、未来を見据える活力と、しなやかさが感じられます。


